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まさにティム・バートン調とも言えるゴシック様式で、スプラッタな殺人シーンが続くが、これをミュージカルにしてしまったことが最大の成功点だと思う。楽曲それぞれが魅力的なわけではなく、ストーリーに整合性があるわけでもないが、猟奇的なシーンがグロテスクになり過ぎず、説明的なシーンが退屈になり過ぎず、全体を巧く引き締めてくれた。
企業PR的ドキュメンタリーな様相はあるが、わざと早回しにしたというセリフの応酬により、これまでのどの映画にもないくらいテンポが良い。それがそのまま激動の物語を支えて、面白く作り上げているように見える。現存する企業を取り扱うだけに、随所に「媚び」が加えられているため、ニュートラルな評価がしにくい。
モッズという文化=青春というわけだが、あらゆる若者文化は時代を過ぎると青春と呼ぶべき青臭さや寂しさが感じられるものだ。ザ・フーの音楽が素晴らしく、それだけの映画と言ってしまってもいいが、それで充分にも思えるくらい格好良い。
十三人の刺客
評価:★★★★☆
監督:三池崇史
出演:役所広司/市村正親
わかりやすく痛快で、意外にも正統派なチャンバラを観ることが出来た。後半の戦闘シーンは間延びしているし、各キャラクターの焦点の絞り方にも不満は残るが、とにかく役者陣の怪演が光る。松方弘樹の殺陣、伊原剛志の迫力、伊勢谷友介の不敵な個性が印象に残る。稲垣吾郎はこの役で一皮も二皮も剥け、俳優として大きく成長したように思う。