ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
評価:
★★★☆☆
原題:Once Upon A Time In America
監督:Sergio Leone
出演:Robert De Niro/James Woods
男同士の友情と裏切りを仔細に描くという意味で、長尺は必要なものだ。しかし、それらはエピソードとして映し出されるだけであって、個々のキャラクターの心情までは見えてこない。それを良しとするか、物足りないとするかはそれぞれだろうか。観客は物語の全てを知った上で、ヌードルスの笑顔に出会う。前半はともかく、後半でだらけてしまったように思うが、やはりこのラストが肝になる。
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悪い奴ほどよく眠る
評価:
★★★★☆
監督:黒澤明
出演:三船敏郎/森雅之
善人は報われず、悪人がのさばるという不条理なドラマだ。少なくともラストで救いのようなものが生まれるのかと期待したが、潔く避けている。この作品において最も重要なテーマとは、その後味の悪さだ。森雅之が演じる副総裁は、娘に対しては甘い態度を取りながら、その裏では脱税や殺人の指示を出し、保身に努める。そういったリアルな描写・設定が、整った脚本を引き立てる。
和製喧嘩友達
評価:
★☆☆☆☆
監督:小津安二郎
出演:渡辺篤/吉谷久雄
長い間失われていたフィルムだったが、14分の短縮版フィルムが見つかり、デジタル復元・補正が行われた幻とも言える作品。元は77分の作品なのでかなりカットされていて、なんとなくストーリーがわかるという感じ。小津にしては珍しいシーンが多いが、やはり小津独特のものが内在しているように思う。ラストの臨場感あふれる移動撮影が良い。
若者のすべて
評価:
★★★☆☆
原題:Rocco E I Suoi Fratelli
監督:Luchino Visconti
出演:Alain Delon/Renato Salvatori
長尺な上に、やたらとダラダラ物語が進む。貧しい庶民を描いているわけだが、そこには凄惨で残酷なリアリズムがある。アラン・ドロンをはじめとする兄弟達の演技は安定しているが、あまり光るものがない。絢爛豪華な世界観で美を表現するヴィスコンティだが、この作品のように暗く、ややパラノイックな展開であっても、しっかり美を表出させている。
罠 THE TRAP
評価:
★★★☆☆
監督:林海象
出演:永瀬正敏/夏川結衣
「私立探偵・濱マイク」シリーズの第三弾。今回は全体がサイコ・サスペンス調で、多少のロマンスもあり、シンプルではあるが物語としては一番しっかりとしている。二役をこなす永瀬正敏の演技や、南原清隆のコスプレも見物。前作の役者が別のキャラクターを演じるところに違和感はある。
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