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一見バイオレンスでアクション性に富む映画だが、その実すごく心理的で無機質な作品だ。ブラッド・ピット、エドワード・ノートンの演技、サイコな表情が刺激的。エンディングのピクシーズもセンスが良い。
停滞の閉塞感と放浪の解放感というジャームッシュの基本的なテーマは、この頃から発露している。全体的な「間」の取り方が退屈だが、大学の卒業制作だったという事実を考慮すると、圧倒的なセンスが感じ取れる。「虹の彼方に」のフレーズが効果的。
最初の30分はコメディ、次の30分はサスペンス、最後の30分はアクションという構成でありながら、全体が綺麗に纏められていて一貫性がある。さらにロマンス要素も含め、ヒッチコックの映画美学はこの初期作品にもしっかり根付いている。
ファニーゲーム
評価:★★★★☆
原題:Funny Games
監督:Michael Haneke
出演:Susanne Lothar/Ulrich Muhe
不条理な暴力を描いていると言ってしまえばそれまでなのだが、残虐なシーンを直接的に見せないところに想像の恐怖があり、同時にこの作品におけるハネケの挑発的なポリシーも映り込む。メタ映画的な演出は、ある意味で余計な気もするが、そうでもしないと大衆は「暴力=エンターテイメント」の図式に当て嵌めてしまうことだろう。
仄暗い水の底から
評価:★★☆☆☆
監督:中田秀夫
出演:黒木瞳/菅野莉央
全てにおいて理不尽な感じがするので、幽霊系ホラーは怖いというより腹が立ってくる。不安定なカメラが恐怖を煽る演出は、こなれた中田の真骨頂だと思うが、「シャイニング」のオマージュ的シーンは小賢しい。黒木瞳はこういった不幸な中年女性の役がすごくマッチする女優だ。